さて。長女が昨年、大学を卒業して就職で東京に行ったのですが、続いて、今年は次女が大学進学にともない、家を出て一人暮らしをすることになり、新たな街での生活を始めました。
旦那さん「料理包丁をプレゼントしてやろうと思ってたんだけど、渡せなかったなー」
旦那さんはわりと日頃から料理をする人で、上質なMy包丁やMy鉄鍋を手入れしながら使ってきた人で、この度、ずっと小料理屋さんでアルバイトをしてきて自宅でもマメに料理をしてきた娘が巣立つにあたり、一生ものとして使えるような「良い料理包丁」をプレゼントしたいと考えていたようで。
私「そうだったの?とりあえず、手軽なセラミックの包丁にしとくか?って言うたら、それ買って行ったわ笑」
だが、次女は関西圏内で暮らしていて、またちょいちょい帰ってくると言っているので「帰ってきたときにでも渡してやったら?」というわけで、バイクでぴゅーんと 錦市場へ向かいました。
バイクは近くの駐輪場に停めまして、
錦市場。通称「にしき」は昔から「京の台所」といわれていて、生鮮食品屋さんやお惣菜屋さん、お漬物屋さん、道具屋さんなどが並んでいます。
インバウンドが高まった頃からは外国人観光客の方々でいつも混んでいたので、地元の人間は足が遠のいてもいたのですが、コロナ禍で外からのお客さんが減った最近は、また地元の客も買いまわりをしやすくもなっています。
錦といえば、江戸時代を代表する絵師・伊藤若冲。生家は、この錦小路通にある問屋さんでした。
吊り下げられているタペストリーや、各商店のシャッターなどにも、若冲の作品が見られます。
【リンク】京都錦市場商店街
そして、今日のお目当てのお店はこちら、
有次(ありつぐ)
第106代・正親町天皇の永禄3年(1560年)「刀鍛冶 藤原有次」として創業。職人の手仕事による様々な包丁(庖丁)を始め、鍋などの料理道具もあり、一流料理人から一般家庭まで、幅広く支持されています。
【リンク】京都有次 Aritsugu
私が店内の品物を眺めている間、早速、旦那さんはお店の方に相談をしていたので、私もその場に話を聞きに行った。
お店の方「お一人暮らしの門出ということでしたら、小庖丁などいかがでしょう。(一人暮らしの)お台所はそう広くないこともありますでしょうから、小ぶりのものが扱いやすいかと」
その発想は、なかった!
言われてみれば仰る通りで、道具は「その人にとっての、使い勝手の良さ」がいちばん大事。
「餅は餅屋」といいますが、品物を制作される職人の方の仕事もそうですが、その店に訪れる客の相談を受ける方のアドバイスも「その専門家ならではの仕事」なんですよね。
旦那さん「それいいですね。見せてもらっていいですか?」
思わず私も、口を挟む。
私「てかさ、今うちらでも、ちょっとした時に使える小ぶりの包丁があるといいな、と思うとき、あるもんね?笑」
旦那さん「あるある笑。『自分で買ってまでは…』だけど、」
私「そうしたものほどプレゼントしてもらえると嬉しい、みたいな笑。直ちにも使いやすいし、もうこれ一生ものにもなるんじゃない?」
ショーケースから見本を出してもらい、手触りや重さなどを確認したり、比べてみたりし、
旦那さん、小包丁で即決。
お店の方「お名前をお入れする(彫る)こともできますが」とのことで、お願いしました。
「どうやって彫らはるのかな?レーザー彫刻機みたいなので、裏でやらはるのかな?」
とか思っていたら、その会話の傍らで黙々と包丁を研いでおられた職人さんが、目の前で鑿(ノミ)と金槌で器用に彫り始められ、ガン見してしまった。
凄ぇ……
旦那さんが会計をしてる間、店内をまた眺めていたら、もんじゃ焼のヘラを見つけました。
旦那さん「付き合ってくれてありがとね。お昼、なに食べたい?」
私「もんじゃ焼が食べたい!」
旦那さん「もんじゃ焼??また急になんで?笑」
私「有次さんでヘラを見て、なんか久々に食べたくなった笑」
お昼ご飯は、こちらでいただきました。
とんちんかん
京都の粉もんといえば「べた焼」ですが、最近ではお好み焼が主流にもなり「べた焼」があるお店は少なく、まして、関東発祥の「もんじゃ焼」があるお店となるとさらに希少なのですが、グルメサイトで検索すると、こちらにはあるようで。
店内の照明が可愛かった笑
お昼の時間を少し過ぎていたからか、私達の他にはお客さんが1組だけ。
べた焼、もんじゃ焼の他にも、広島焼や、モダン焼、ねぎ焼、それから、鉄板焼と、種類が豊富!
もちチーズ明太子もんじゃ。
トッピングが多くて迷ったので、メニューの組み合わせ例から選びました。焼き上がってる状態で、提供してくださいました。
焼きそば(豚)
焼きそばは、豚がいちばん好き。
モダン焼(豚・タコ)
こちらは旦那さんのオーダーで。モダン焼とは、お好み焼にそばを重ねて焼く「そば入りのお好み焼」です。
美味しかったです。御馳走さまでした。
【リンク】とんちんかん 京都河原町【公式】
さて、停めていたバイクを引き上げ、フツーに家に帰る向きに走り出した旦那さん。
だがしかし、この時まだ14時半。
天気も良く、私はもうちょっとバイクで走っていたかったので
私「まさか、帰るんじゃないでしょうね?」
旦那さん「なんの『まさか』だよ!?ww 帰るわ!!www」
いやだいやだと駄々をこね、すると旦那さんから「鴨川の桜でも見ながら、帰りますか?笑」
……そう、このひとことから「桜を追いかける旅」が、始まったのである。
次回→ 桜を追いかけて - お出かけブログ に続く。