さて。
先日、上賀茂・下鴨、両社を参拝した→ 上賀茂神社、下鴨神社を参拝してきた - お出かけブログ のだが、同様に「次は、あちらの両社だな」とひかれていて、今日お参りしてきました。
御霊神社(御靈神社)は、平安遷都のおり、第50代・桓武天皇が、平安京の守り神として崇道天皇(早良親王。桓武天皇の皇弟。罪の疑惑をうけて流刑され、皇位継承はされていないが、その鎮魂のため崇道天皇と追称される)を祀られたのが由緒です。
当時、疫病の流行や災いが相次ぎ、これは悲運にして無実の罪で亡くなられた高貴な方々の祟りであると、その御霊をお祀りして鎮めようとした御霊信仰がうまれ、やがてそれは、畿内から全国に広がっていきました。
なお、国家的な御霊会(ごりょうえ)の最古の記録は、貞観5年(863年)朝廷により、神泉苑にておこなわれたものとされています。
御祭神は、崇道天皇(早良親王)、井上大皇后、他戸親王、藤原大夫人、橘大夫、文大夫、火雷神、吉備大臣。
鳥居の奥に見えるのが、楼門です。
拝殿
この奥に本殿があります。
牛車
江戸時代(慶長年間)第107代・後陽成天皇が上皇時代にご寄進されたものと伝えられています。
当時の物で現存する牛車(ぎっしゃ)は大変少なく貴重で、この他には、毎年、葵祭で使用され、京都御所にて保存されている二輪以外は、見当たらないそう。
応仁の乱 発祥の石碑
応仁元年(1466年)守護大名・畠山義就と従弟の畠山政長が衝突。政長軍はこの御霊神社に陣を敷いて合戦となり、かの「応仁の乱」を引き起こしたことから、御霊神社は「応仁の乱・発祥の地」と言われています。
京都人は「先の大戦」といえば「応仁の乱」と記憶していると笑い話で言われますが、民家から寺社仏閣まであらゆるものが焼失し、京のまちが火の海となった京都の歴史とは切っても切れない大事件で、その始まりはなんと お家騒動 だったんですね。
余談ですが、京都で、そこそこ大きなお寺や神社では「応仁の乱で、うちは◯◯を焼失した」という記載が、そこかしこでなされています。
「応仁の乱」に、かなりの恨みを感じる。
と、そんな歴史もありつつ、御霊神社は「鎮霊(こころしづめ・心鎮め)」のご神徳もあり、いつも穏やかでいられますようにお守りを拝受したところ、御霊会のお札も賜りました。玄関など、高いところにお祀りしてくださいとのこと。御意。
【リンク】御靈神社
続きまして、
もとは、下出雲路(鞍馬口付近、賀茂川(鴨川上流)西岸辺り?)にて創祀され、安土桃山時代、豊臣秀吉の京都区画整備において多くの寺社とともに、現在の地(御所南、寺町通)に鎮座されました。
御祭神は、吉備聖霊、崇道天皇(早良親王)、伊豫親王、藤原大夫人、藤大夫、橘大夫、文大夫、火雷天神。
拝殿
この奥に本殿があります。
拝殿脇に並ぶ末社
本殿
本殿脇の三社
神明社(伊勢神宮)、八幡社、春日社を、お祀りされています。この三社を併せて祀る三社信仰は、中世から近世にかけて流行したそう。
【リンク】下御霊神社 – 御霊八所の神、霊元天皇、山崎闇斎を祀り疫病災厄から朝廷と都民を守護する神社
御霊神社、下御霊神社ともに、御朱印をいただくと、一緒にお菓子もくださいました。
宮司さん「こちら、神様のお菓子です」
私「ありがとうございます。神様のお菓子」
突然「神様のお菓子」と言われてなんて応えたらいいのかわからず、言われたとおりに「おうむ返し」
御霊神社と、下御霊神社は、御所を中心に北と南にあり、私は地下鉄とバスを併用して移動しましたが、御所にも行きたい方は御所に寄りながら歩いてもいいかもしれない。近くはないですが、歩けなくはない距離かと。
で、帰りはぶらぶら、御所南(ごしょみなみ)を歩きつつ。
堺町御門
おばあちゃん世代の中には
「(陛下は)今は 東のほうへ お出かけ してはるだけやから。(またそのうちここに帰ってきはる)」
と、わりとガチで言うてはる人が、今でもいはります。笑
【リンク】宮内庁参観案内:施設情報:京都御所
と、今日はこれで帰るつもりだったんだが、御霊神社・下御霊神社をお参りしたなら、やはり御霊会の起源、神泉苑もお参りしておこうと
全国的にも有名な祇園祭も御霊会のひとつで、鉾を立て、八坂神社からこの神泉苑に神輿を送ったのが、祇園祭(祇園会)の起源とされています。
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【リンク】神泉苑
今日のお昼は、こちらでいただきました。
天ぷら 鈴
店主は、祇園に本邸がある天ぷらの名店、明治18年(1885年)創業の八坂圓堂ご出身だそう。
お茶うけに、昆布の佃煮が。ザ・京都って感じです。さっぱりしていて、お茶とよく合う。
カウンターキッチンから、揚げたてを提供してくださいます。衣がサクサク!初めて来て量がわからなかったので、少食の私はご飯を少なめでお願いしました。
美味しかったです。御馳走さまでした。